2020/08/28 23:50
いつもご愛顧ありがとうございます。
さて今回はティピーテントシマロンやレッドクリフに必要なシームシールのオススメの方法をご紹介します。
シームシール加工は、シェルター・タープの防水性を向上させるのはもちろん、ほつれ防止、劣化を防ぐ為の補強や結露を軽減する効果もあります。
シェルターのポテンシャルを発揮し、アップグレードさせるには、シームシール加工を実施していただく事は非常に重要です。
皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。
米国のシークアウトサイド社ではシェルターを吊り下げたり、又はテントを設営した状態でシームシール加工を表面側のみを推奨しています。
しかし、設営した状態だとシーム処理がしづらいというデメリットもあります。
そこで今回オススメする方法は、卓上や床などでシーム処理をする「置き加工」です。
この置き加工であれば、机や廊下など奥行きが最低50cm〜、横幅約1m〜2mあれば、シームシール加工が誰でも簡単に且つ綺麗にできます。
〜オススメの加工方法〜
まずはじめに刷毛や筆、パレット代わりにダンボール等の切れ端、乾いた布(端切れ)シームグリップ、そしてシェルターを用意します。
今回はダイソーで100円で購入した平筆を使用します。
※シーム(縫い目)は約1cm幅なので、1cm程度の筆や刷毛であればなんでもOK!
・ポイント〜塗る量の目安〜
ティピーテントシマロンでは、シームグリップはおおよそ1本あれば十分です。
ティピーテントレッドクリフは、シームグリップは1、5本〜2本あれば十分です。
※シームシール加工はすべて表面のみを推奨しております。
1.ナップザックからシェルターを取り出します。
2.巻物を広げるようにシェルターを広げます。(シェルターは裾まですべて広げます)
3.シェルターを広げたらコーン下からシーム(縫い目)にシームグリップを塗布していきます。
シームグリップを直接シェルターへ塗布せず、ダンボールや厚紙等のパレットを使って刷毛で塗布することで綺麗な仕上がりにできます。
※ストーブジャックやコーン部は最後にまとめてシーム処理するのがおすすめです。
・ポイント
縫い目(ダブルステッチ)に対してしっかりと蓋をするイメージで塗ってください。
※厚塗りしすぎると見栄えも悪くなり、のちにひび割れの原因にもつながるので、できる限りきれいに薄塗りしつつ、下のようにしっかりとシームに蓋をし完全防水仕様にしましょう!
ストーブジャック周辺は、一旦飛ばして裾下までシーム処理をしていきます。
4.ガイライン用ループには引っ張る力や負担が掛かる箇所なので、下の画像のように裏側にもしっかりシーム処理をしてください。
※シークアウトサイド製品のシームシール加工はすべて表面のみを推奨しております。ガイライン用のループは表面の裏と表をお願いします。
・ポイント
シーム処理をすると糸のほつれ防止、引裂き強度も上がる為、補強にもつながり、結果的にテントが長持ちします!!
三角ループも下の画像のようにループをめくった裏にもしっかりとシーム処理してください。
5. 下の画像のように1本縦ライン(縫い目)にシーム処理が終わったら乾燥させます。
6.出来る限りこの「置き」の状態をキープしながら別箇所の縦ライン(縫い目)を同様にシーム処理→乾燥→シーム処理と繰り返します。
※2〜3本シーム処理→乾燥→2〜3本シーム処理→乾燥させると約3回ほどですべて縦ラインのシームシール加工が可能です。
(シマロン/メインの縦ライン5本、レッドクリフ/メインの縦ライン9本)
7.最後にまとめてストーブジャックまわりとコーンの縫い目にシーム処理をしたら完成です!
ストーブジャックの生地はシームグリップが定着しずらいので、少し多めに塗りましょう。
※シェルターにシームグリップを完全に定着させるには24時間ほど乾燥させる必要があります。
以下シームシール加工方法の動画です。
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https://www.rimloutdoorjp.com/blog/2020/03/10/175839
最後におまけです。
〜コーンのケア方法〜
手軽にコーン部の防水性を高めるには、Collonil(コロニル)の協力防水スプレー(カーボンプロ)がおすすめです!
コーンに折れ目がついたり長く使い込んでいると傷んで撥水性が落ちてしまうことがあります。
※日本正規品は、未使用時ではコーン部は防水加工済です。(お客様のご利用頻度やご使用環境によって多少前後しますが、約1年ほどで防水性が落ちてきます)
そこでコーンに防水加工をしてあげると撥水加工等に比べ(素材が水を通さないようにするため)効果が長く持続します。
1.カーボンプロを2〜3秒コーンにスプレーします。
2.次に刷毛で生地にしっかり馴染ませ、乾燥させれば完成です!
SEEK OUTSIDE(シークアウトサイド社)のシェルターの重要な縫合部分はダブルステッチになっており、縫針や糸の選定等により雨の侵入を妨げる様に工夫されています。
しかし、一晩中、比較的強い雨が降り続いた場合、素材自身は高い耐水または防水の特性をもってはおりますが、針穴または貫通した糸を通じて雨水が侵入する可能性があります。
<乾燥時間、収納について>
いずれの場合も乾燥するまでに1〜2時間、完全に定着するまでには約24時間程度かかります。乾燥後に収納する際はシームシーラーの粘着性で生地が癒着しない様にタルカムパウダ−をシームシールした部分に塗布してから収納してください。
<結露と雨漏り>
結露(けつろ)とは、シェルター内側の幕面に、シェルター内部の水蒸気が凝縮する現象のことです。体温や発汗、地面からの水蒸気拡散等によりシェルター内の温度と湿度が上昇した場合、幕面で外気に触れて冷やされたシェルター内の水蒸気が凝縮して水滴と成ります。いかなるシェルターもこの結露を完全に防ぐ事は不可能と言われています。結露を防ぐにはシェルター内外の気温や湿度の差を無くす事しかありません。つまり換気を良くするという事です。また、結露防止スプレーや扇風機で湿気を飛ばしたり、結露防止シート等による対策も効果的です。雨が降っている際は、結露なのか雨漏りなのか区別がつかなくなる場合もあります。結露を完全に防ぐには専用のインナーライナーをインストールしていただき、二重構造にアップグレードしていただくのが最も効果的です。